手ぶらポエム「無垢な瞳」
「無垢な瞳」手ぶらの乞食
道路沿いの脇の駐車場に
バックミラーが横たわっている
彼は彼であることを知らない
ただ移ろい行く景色を見ている
空の青が淡い黄や薄紫
それからほのかなピンクに染まるのを見た
燦々と輝く太陽も夕陽に滲む鮮やかなオレンジも
夜になれば闇の中に浮かぶ黄金の月と瞬く星たちも
まるで幼子のように彼はなにも知らなかった
光りの織りなす模様だけが漠然と流れて行った
彼には世界と自分を隔てる境界がない
彼は彼を見ている
かつてはわたしもそうだっように
楽曲「拝啓トーベンクールマン」手ぶらの乞食
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