私は無力だ。それでいいじゃないか。心底そう思えた時,何かが死んであなたは真に生き始める。

アル中詩人~手ぶらの乞食~かく語りき

アル中地獄からの生還とその言葉たち

タイムマシンは辿り着かない

時間の消滅

時間というのは不思議なものだ。

過去→現在→未来と

一方向に向かって流れているように思える。

しかし、よくよく考えてみるとおかしな話だ。

現在起こっている現象が過ぎてみれば過去になる。

一体その過去とやらは

何処へいってしまったのだろうか?

湯水の如く何処へともなく消え失せる。

全ては流転変化し続けて

“たった今”でさえ掴むことは出来ない。

 

そして未来は常に未知であり

何も描かれていないキャンバスのようなものだ。

例えばあなたが電車に乗っていたとして

次の停車駅が未来だとする。

しかし電車が次の駅に到着するや否や

それは現在となり過去となる。

つまり掴めるものなど何ひとつないことになる。

 

物理学的見地によれば

過去の証拠は岩と化石しかないのだそうだが

その化石を発掘して「これは約5億年前のものだ」と

言ってみてもそれは現在の見解でしかない。

 

あなたがゆで卵を食べて

「私が食べました」と剥き散らかされた卵の殻を

差し出してみても卵の中身の行方が知れないように

時間は物質がもたらした錯覚でしかない。

 

もし仮に身体を持たず純粋な意識としてあるなら

見るべきものも

触れるべきものも

聞くべきものも

味わうべきものも

嗅ぐべきものも

ありはしない。

 

私や他者の区別もなく

何処まで行ってもあなただ。

もっとも何処という距離さえもない。

つまり時間もないということだ。

 

裸の意識だけが漠然と在る!

 

 

おめでとう。

 

ようこそ!なんにもない世界へ!

 

 

 



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ごきげんよう